AMを使うべきかどうかは、装置や材料だけでは判断できません。用途、材料、設計、評価方法を含めて確認します。
既存図面をそのまま安く作る、切削品と同じ精度・強度を期待する、材料特性をそのまま置き換える、形状変更の権限がない、といった案件ではAMの効果が出にくい場合があります。
単価だけで評価される案件では、従来加工の方が合理的なこともあります。
3Dスキャナは形状を取得する道具であり、3Dプリンターは形状を作る道具です。しかし、その間には、データ整理、寸法補正、設計判断、材料選定、強度確認、後処理、用途評価が必要になります。
重要なのは、スキャンデータを単なるリバースデータとして扱うことではなく、AM、切削加工、CAE、検査など、目的に応じて使える製造データへ整えることです。
| 用途 | 必要になるデータ整理 |
|---|---|
| AM | メッシュ修復、法線、肉厚、穴、造形方向、サポート、スケール補正。 |
| 切削加工 | 基準面、加工面、穴軸、取り代、治具基準、CAMで使える面・ソリッド。 |
| CAE | 不要形状の整理、解析用モデル化、荷重・拘束面、接触面、メッシュ品質。 |
| 検査 | 基準合わせ、測定点、偏差確認、比較用マスターデータ。 |
PLA、すなわちポリ乳酸は、FDM/FFF方式では扱いやすい樹脂の一つです。形状確認や教育用途では非常に有効な材料です。
しかし、製品や治具として使う場合には、PLAであっても樹脂材料としての硬度、靭性、使用温度域、長期寸法安定性、使用環境を考慮する必要があります。AMでは、材料名だけでなく、造形方向、層間接着、形状、使用条件によって部品としての性質が変わります。
FFF/FDM方式では、装置と材料を用意すれば安定して部品が作れるわけではありません。樹脂の熱履歴、層間接着、収縮、残留応力、造形姿勢、冷却条件が品質に影響します。
これは高温樹脂だけでなく、ABSやPLAのような一般的な樹脂でも同様です。AMを検討する際には、単に「3Dプリンターで作れるか」ではなく、材料、形状、使用環境、必要強度、寸法精度、後処理、評価方法まで含めて判断する必要があります。
DfAMは、AMを使う意味が出るように設計を見直す考え方です。ジェネレーティブデザインは、荷重条件、拘束条件、材料、製造方法、設計空間を整理し、複数の設計案を比較する手法です。複雑形状そのものが目的ではありません。
本ページでは、技術判断の概要を紹介しています。実際の対応可否は、使用しているCAD/CAM/CAE、工作機械、POST、NCデータ、材料、目的、運用体制によって異なります。
具体的な調査、データ確認、POST作成、加工条件検討、解析条件設定、AM適用診断等は、有償支援として対応します。